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バックパッカーに憧れて

BPスタイルのアジア旅行記と格安航空券や旅の情報

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重慶大厦(チョンキンマンション)の怪しい人たち 〜深夜特急のあしあと〜

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香港での宿泊場所。それは重慶大厦(チョンキンマンション)と決めていた。理由は簡単。その宿泊費用の安さである。そしてもうひとつ。僕が昔、夢中で読んだ沢木耕太郎氏の著書『深夜特急』のなかで登場する場所であり、沢木氏本人が旅の最中で最も熱くなった場所だったからだ。
 
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重慶大厦とは?

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重慶大厦とは彌敦道(ネイザンロード)沿いの尖沙咀地区にある1961年に完成した17階建ての巨大なマンションだ。完成当時は周囲に高層マンションは存在していなく、高級マンションとして認識されていたが、その後時代の移り変わりとともに多国籍、多人種が集うマンションとなった。上層階には安価なホテルが集まっているため、世界中の旅行者にその名が知れ渡っている。

深夜特急のあしあと 

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雑居ビルの中の迷路のような商店密集地を通り抜けると、突き当りにエレベーターがあった。年代物らしく、降りてくるスピードが恐ろしくのろい。ようやく一階に到着し、扉の開いたエレベーターからは、強烈な香辛料の匂いが溢れ出てきた。中国人に混じって何人ものインド人が乗っていたのだ。全員が降り、私が男の後から乗り込むと、また別のインド人が走り込んできた。この雑居ビルにはインド人がかなりいるようだ。
沢木耕太郎 著 深夜特急1〜香港・マカオ編より〜

 

重慶大厦内はとても怪しい話しを聞いていた。そして犯罪の温床とも。しかし実際には各国の女性旅行者の姿も目立ち、怪しさは過去のものとなっているのだろうか。各エレベーター前には警備員の姿もある。それでも多少の怪しさは残っている。それを演出しているのは強烈な香辛料の匂いだけではなく、重慶大厦の入り口やエレベーター前にいる宿の客引きだ。彼らの多くはインド人やバングラデシュ人。宿泊を決めれば彼らにマージンが入るのだろう。その中の数人と話してみたが、とりわけ宿泊費が安い印象は受けなかった。もっとも泊まる気がないから値下げ交渉はしなかった。

5つに分かれる棟と狭いエレベーター

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重慶大厦を彌敦道から見上げると、ひとつの巨大マンションのように見えるが、実はそうではない。1、2階には商店が軒を連ね、その上にA座からE座まで、5棟の巨大マンションが建っている構造なのだ。しかしその巨大な棟と棟の間は行き来はできず、棟専用のエレベーターで上層階へ上がる仕組みになっている。もし乗り間違えると、狭いエレベーターだけに随分と時間のロスになる。

上層階のゲストハウス

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その上層階にあるホテルを何度か利用したことがあった。ホテルの名前はカマルデラックスホテル。B座の5階にあった。ホテル名の「デラックス」から期待をして足を運んだが、そこは安定の重慶大厦。その大げさなネーミングに裏切られた。

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部屋は4畳半もあるだろうか。扉を開けたら目の前がベッドの光景は、重慶大厦内にあるどのホテルでも大概同じだ。だが、エアコンもあり、シャワーも浴びることができ、テレビもあるから、ただ寝に帰るだけと割り切れば、物価の高い香港では快適だと考えが変わる。

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◇窓から見える景色は廃墟です。

 

カマルデラックスホテルの詳細はこちら

 

怪しい人々

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怪しい印象は夜になると一層色濃くなる。重慶大厦前の歩道に無数の多国籍な人々。その人達から肌で感じ取ることができる。彼らの口からは決まって偽物時計の販売だ。彼らが喋る愛嬌のある日本語は、示し合わせたように「ニセモノトケイアルヨー」という具合だった。そして断ると次は必ずハッパを勧めてくる。さらに断ると、次はお決まりのオンナだった。

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ハッパを売る人達と話してみると、その人柄は陽気だった。この手の商売はひそひそとこっそり話すものだと思っていたが、歩道で堂々と話している。ハッパも偽物時計もオンナも手は出さなかったが、重慶大厦滞在中は彼らにすっかり顔を覚えられ、ご丁寧に名刺まで貰ってしまった。見た目と話の内容とは裏腹に、丁寧な対応に腰を抜かしそうになった。

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両替商と携帯販売

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重慶大厦には多くの携帯電話とその関連グッズの店が目立つ。重慶大厦の緩い規制から、香港マネーを求めて商売に走る外国人が少なくない話を耳にする。通りのショーウィンドウに目をやると、どこの店も似たり寄ったりで、特にスマホに挿すSIMの販売が目につく。空港でSIMの購入を忘れたらココでいいかと思っているが、未だ購入したことはない。

 

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そして重慶大厦といえば、外貨両替だろう。両替商もまた多国籍な人種が営んでおり、建物の奥へ行けば行くほど、レートが良いのは有名な話だ。


重慶大厦で両替の詳細はこちら

 

重慶大厦はインドカレーの宝庫 

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重慶大厦といえばインドカレー店を思い出す人は多いだろう。建物内に漂うスパイシーな香りは、多くのインド人の体臭も然ることながら、インドカレー店から漂う香りでもあった。そんな香りに誘われて、僕は1階にあるインドカレー店に入ったことがある。その注文方法はこうだ。まず入口のショーケースから好みのカレーを選び、ライスかナンかを伝えて席に着く。その間カレーが運ばれるのを待つだけだが、どうも調理場らしき場所は見当たらないのだ。そこで思い出したことがあった。それは狭いエレベーターに乗っている時だった。見てそれと分かるインド人が、カレーの入った大きなタッパーを台車で階下に運んでいる光景に出くわしたことがあったのだ。

 

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どうやらこれらのカレーは重慶大厦の上階で調理され、狭い店舗のショーケースに運ばれているようだった。そのカレーは客から注文を受けると、電子レンジで加熱されてテーブルに運ばれる仕組みで間違いないようだ。さて、注文したカレーにはライスを付けてみたが、そのライスの量が多すぎた。どう見ても大きい茶碗2杯分はある。とてもじゃないが食べきれずに残してしまった。カレーの料金は55HKD。日本円で約850円。正直安いとは言えない。これが香港の物価である。

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後に香港在住の友人に聞いた話しだが、重慶大厦でインドカレーを食べるならB座3階B室にある「TAJ MAHAL」が美味しいらしい。重慶大厦入口でカードを配っているので、それを店舗で提示すると10%オフになる。誰か試していただき、感想をもらえたらと思う。

最後にひとこと

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深夜特急が世に出たのは今から約30年前の1986年。時代は変わり当時の色濃い怪しい雰囲気は薄れているかもしれないが、重慶大厦はそれなりに怪しい雰囲気を感じ取ることができた。それは多国籍、多人種が集まっている光景だろう。その人々のなかには、国内の情勢が悪化し、全財産を投げ打ってエージェント経由で香港入りした者。または国の資源が観光業しかない母国を捨て、香港ドリームを掴もうとする者。あるいは一歩道をそれ、薬と犯罪を犯す者。そしてチョンキンマンションの周りを寝床にするホームレスの姿だ。異国情緒と括るには、言葉が軽すぎるかもしれない。

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それは21世紀になりテクノロジーがこれだけ発達しても、世の中は普通に笑顔で暮らしたいと願う人の方が多いからなのではないだろうか。命や家族のため、グッとこらえた我慢を押し殺し、狭い重慶大厦の中で生きる色々な国の人々。その我慢の糸が切れたとき、喧嘩や窃盗、そしてクスリへと変貌していくのかもしれない。それが故に、犯罪の温床、治安が悪いなどと言われる所以なのだろう。

それでも香港での滞在は重慶大厦以外に考えられない。
僕は重慶大厦が好きだ。

 

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◇重慶大厦滞在は2015年9月。その後何度かの滞在により、この記事は加筆&修正をしています。ご了承ください


◇重慶大厦の場所。立地はこの上なく良いです


▼香港国際空港から重慶大厦への行き方はこちら 

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▼ 重慶大厦の安宿の記事はこちら

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▼重慶大厦のインドカレー店の記事はこちら

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深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

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anan (アンアン) 2016/09/07[魅惑の香港]

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