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バックパッカーに憧れて

BPスタイルのアジア旅行記と格安航空券や旅の情報

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コザ暴動から45年!基地の街ゲート通り!!ディープな夜のアメリカ人街とは? 〜沖縄で働く日本人とアメリカ人〜

日本 沖縄 旅と音楽

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物悲しいコザの歴史

沖縄では那覇に滞在したが、1日だけコザで過ごした夜があった。コザと聞いてピンとこない人もいるだろう。それもそのはずで、コザ市という名は今はなく沖縄市のことを指す。今から54年前、1956年米軍の市政施行により誕生したのがコザ市だった。その後1972年にアメリカ合衆国から日本へ沖縄が返還されたのち、1974年に沖縄市が誕生した。そして今なお「コザ」の呼び名で愛され続ける街は、地域の36%を米軍の基地が占めており、沖縄が日本へ返還される前から米軍とは切っても切れない関係が続いている。

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そんなコザ市民には忘れられない出来事があった。今から45年前、1970年12月20日未明のことだった。コザ市(現・沖縄市)で連続する2件の交通事故が発生。沖縄人をアメリカ人が運転する車ではねた事故だった。この事故をきっかけにアメリカ軍の車両や施設に対して、沖縄人による焼き討ちがされた。いわゆる「コザ暴動」だ。


暴動のきっかけは交通事故だったが、その背景には米施政下での圧制や人権侵害に対する沖縄人の不満が相当溜まっていたそうで、暴動に発展したのも必然的だったのかもしれない。

そんな物悲しい歴史があるコザの街を訪れるのは今回で3回目だ。過去2回は日帰りだったので、今回は街にアメリカ兵が多く見られる時間帯、週末の夜を過ごしてみようとコザの街に足を踏み入れてみた。

コザで一番安い駐車場

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那覇からコザへの移動手段はレンタカーを選んだ。移動が車となると問題は駐車場。僕はアーケード街の中央パークアベニュー近くの駐車場「タイムズ24 コザ中央4−3」を選んだ。駐車料金は駐車後最大24時間400円という破格の料金。おそらくコザで一番安い駐車場だと思われる。


◇タイムズ24 コザ中央4−3 の場所

那覇で借りたレンタカーの記事はこちら!

blog.tommy-bp.com

静かなコザ・ゲート通りの背景には……

僕はまず嘉手納基地第2ゲート前から延びる空港通り、通称ゲート通りへ来た。沖縄へ来たのが3年ぶりならコザに来たのも3年ぶりだった。その当時と比べてコザの街は閑散としているように見える。この日は週末金曜日。コザの街が賑わうのは金曜日より土曜日と言われており、そのせいかもしれない。

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様々なミュージシャンのライブで盛り上がる「ミュージック音市場」の近くまで歩いてきた。この周辺はアメリカ兵で賑わっている様子だ。そして皆、一軒のバーの前で焼き鳥を購入している。これがとっても評判のようで、路上で焼き鳥を頬張るアメリカ兵で一杯だ。この辺りはバンコクのカオサン通りで見る光景と似ている。1本10バーツのチキンをむさぼり食いながら路上を歩くアメリカ人の姿は南国共通なのか。しかし、ここは沖縄。1本10バーツではなく、6本で500円だ。本業のバー営業より売上が良さそうに見える。こういう光景は好きなので、バーで焼き鳥を食べながら一杯やることにした。

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すると目鼻立ちがくっきりとした、いかにも沖縄美人といった若い女性が出てきた。僕は彼女に生ビールと焼き鳥を注文すると少し話しを聞くことにした。

「コザに来たのは3年ぶりなんだ」
「じゃあ、当時より寂しく感じるでしょ?」

僕が昔食べたタコスの店やカレー屋の店は今はなく、シャッターに閉ざされた店が目立つ。

「3年前に米軍の外出禁止令が出て、潰れたお店がたくさんあるの。その外出禁止令が解けて、最近人出は多くなった方なんだ」


人通りが少なかったのは、金曜日という理由だけではなかった。それはまだ記憶に新しい2012年10月の出来事。アメリカ海軍兵2名による県内20代女性への集団女性暴行致傷事件だった。 米軍は夜間外出禁止令を出し、コザの街からアメリカ人の姿は消えた。そして泣く泣く店をたたんだ沖縄人。なんという皮肉な出来事なんだろうか。沖縄返還後、米軍関係による犯罪は5000〜6000件を越すと言われている。そこに日米地位協定という大きな壁がどうしたって立ち塞がり、泥水を飲んできた沖縄人が現実にいたのだ。それでも米軍のおかげで生きている沖縄人の現実があるのも事実。いつだって日本政府とアメリカ政府の間に生きる沖縄人の姿にやるせない。

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2杯目の生ビールを注文すると彼女は話しを続けた。

「でも今日は月末で全然だめ」

なぜ月末がだめなんだろうか疑問に思う。東京では月末25日以降の週末は賑わうものだ。特にターミナル駅の新宿や渋谷の夜などは、歩くのに困難なほどだ。その疑問を彼女に聞いてみた。

「アメリカ兵の給料日は毎月1日と15日の2回なの。その週末は凄い人出だよ」

アメリカ兵の給料日は知らなかった。旅はしてみるもんだ。

「だから月末は皆お金がないの」
「給料日前でも酒飲むお金くらいあるんじゃないの?」
「皆給料入ると後先考えずにパッーと使っちゃうの。基地のストレスを全部ここで吐き出すの」
「それってアメリカ人の性格?それとも兵隊の性格?」
「兵隊だね」

基地のストレス発散で潤う商売がそこにはあった。それは日本人も同じことか。ただ、アメリカ兵は羽振りがいいというか、金遣いが荒いらしい。どことなく体育会系の日本人に似た雰囲気もある。

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生ビールを3杯ほど飲み終えたときだった。どこからか子猫が迷い込んできた。まだ生まれたてに見える。その子猫を抱きかかえるアメリカ人に心が和んだ。この子猫の目には今の沖縄・コザの街はどう映るのだろうか。

ZEN TOWN
住所:沖縄県沖縄市中央1-10-1
生ビールジョッキ:600円、焼き鳥6本:500円or5$

店内はハリウッドスターの写真が飾られ、アメリカンな内装。クラブで踊り疲れ、一息つきに利用する落ち着いた客が多いとの話し。

 

コザの街歩き 

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スナック・プリンスからは女性の歌声が聞こえる。曲はダイアナロスの「If We Hold On Together」だ。当然ダイアナロス本人ではなくカラオケだが、抜群の歌唱力は本物と間違えるほどだった。僕はその歌声に惹かれ入店したが、あいにくアメリカ人でカウンターが埋まっていた。昭和風の赤いソファがあるボックス席は空いているが、1人で座っても退屈なだけなので軽く会釈をして店を出た。

If We Hold On Together

If We Hold On Together

  • ダイアナ・ロス
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

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ゲート通りにはカントリーミュージックのお店もある。カントリーミュージックというとテンガロンハットを被ったカウボーイを連想してしまうが、実際のところよく分かっていない。

Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow

Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow

  • Jessica Simpson
  • ポップ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

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カラオケバー「Key Stone」の前にきた。洋楽のカラオケで盛り上がるアメリカ人の集団を想像して来てみたが、店内は数人の客が静かに飲んでいる様子。やはり月末の金曜日が影響しているのかもしれない。

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時代はスナックからガールズバーへ。と言ってもアメリカ人向けのガールズバー「さくらや」。コテコテのネーミングに中途半端な外観だが、こんなもんで丁度いいのかもしれない。

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近年コザの街を楽しむアメリカ兵は、クラブやミュージックバーで飲んで踊って夜を過ごす人が多いらしい。実際アーケード街のサンシティ内にあるミュージックバーは、アメリカ兵の客で賑わっている。この街はまさにアメリカ人街で、一切日本人を見かけない。一体、日本人はどこにいるんだろうかと思っていたら、同じサンシティ内の焼き鳥屋のオープンスペースで飲んでいる団体を数組見かけた程度だ。

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◇コザの位置関係


コザは小さな街だが、どうやら住み分けができているらしく、ゲート通りより北側はアメリカ人街。南側は日本人が7割とアメリカ人が3割。東側は日本人が集まるスナックが密集している。

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◇この先は日本人街のスナックが密集している東側

沖縄に限った話しではないが、東京をはじめ未だスナック文化は根強い。これが地方に行くとより色濃い印象がある。ここ沖縄だと自宅で夕飯を食べ終えてから、スナックへ飲みに行くという流れなのか。一方、東京都心の若い人はスナックへ飲みには行かないどころか、スナックの存在そのものを知らない。そういう僕も普段はスナックには行かず、もっぱらカフェ&バーといった具合だ。

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再びゲート通りへ来ると、重低音が鳴り響くクラブの前でアメリカ兵同士の喧嘩に遭遇してしまった。原因は分からないが、白人対黒人という図式ができていた。何より彼らは兵隊だけあって体格が物凄くよくて迫力がある。そこに汚い言葉が加わり、今にも殴りかかろうとしている。巻き込まれたらたまったもんじゃない。そそくさと歩道を歩いていると、1人の日本人男性が話しかけてきた。年の頃50代に見える。

「今日はもう終わりですね」

時計の針は0時を回っており、気がつけばゲート通りからアメリカ人は消えていた。月末の金曜日、コザの夜は早い。

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◇人っ子一人いない深夜のパークアベニュー通り

 

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沖縄で働く日本人とアメリカ人

すっかり人通りがなくなったパークアベニュー通りを歩いた。アーケードの屋根が長く続き、歩道が広い。この一帯を飲食店のオープンスペースにして、上階をゲストハウスにできないものかと考えてしまう。イメージはバンコクのカオサン通りや、クアラルンプールにあるジャランアローの屋台街だ。那覇から千円バスをガンガン走らせ、コザに集客する。そんな勝手なことを考えてしまうくらい、寂しいコザの夜の街だった。なにせ歩いているのは僕だけだ。

すると一軒のバーから男性の声がした。

「一杯どうですか?」
「二杯はだめですか?」
「二杯以上飲んだら、僕機嫌悪くなります」
「じゃあ、二杯で辞めときます」

そんなくだらない会話が気に入ったので入店してみることにした。

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バーの名は「Loco island BAR」南国風の店内が特徴的なミュージックバーだ。話しかけてくれた男性は熊本出身のオーナーNさん。この土地に店を出して7年になるそうだ。個人の力で出店をし、経営を続けている姿は心から凄いと思う。そんなNさんは客のアメリカ人と流暢な英語で会話をしている。

僕はその語学力について質問をしてみた。

「その英語は日本の教育で学んだんですか?」
「僕が熊本から沖縄に来た当時、基地の中で働いていて、そこで覚えたんです」

Nさんが基地の中で働いていた場所は空軍のバーだった。空軍は英語が喋れる兵隊しか配属されず、軍のなかでもいわばエリートだ。これが海軍となると多人種が集まるらしい。Nさんにとって英語は「学ぶしかなかった」環境だったんだとか。そしてアメリカ人からの英語によるイジメがあった。言葉が分からないことをいいことに、きっと汚い言葉を浴びせられたんだろう。そんな辛い経験をした後に、コザの街にバーを出店した。過去の経験が活きている証だ。

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一方客席に目をやると、1人のアメリカ兵らしき人が飲んでいる。かなり酒が回っている様子だ。僕は数杯飲んでいたビールからバーボンに変えたときだった。突然アメリカ兵が僕も含めた店内にいる全員に、テキーラのショットを奢り始めた。それは計3〜4回ほど続き、その度にクシャクシャになった1ドル札がカウンターの上で舞う。

これが金遣いの荒いアメリカ兵の実態か。数時間前に聞いた話しを間近で見られるとは思わず、なんだか嬉しくなってしまった。さらにこのアメリカ兵は僕にダンスを仕掛けてくる。僕もダンスで仕返す。テキーラを奢ってもらったお礼だ。おかげで店内は僕とアメリカ兵による滑稽な即席ダンス大会になってしまった。しかし、悲しいことに店内の誰一人注目をしていない。こんな光景は日常茶飯事で見飽きているのだろう。場が寒い。

その後猛烈に酔っ払ったアメリカ兵はこの店を後にした。果たして無事に基地へ戻ることはできたのだろうか。そして彼は給料日までの数日間、懐具合は大丈夫なのだろうか。

アメリカ兵が店を出たあと、再びオーナーに聞いてみた。それはこの店の開店時間が週末以外は夜中の0時からの件だ。おそらく兼業で何か仕事をしているのではないかと思ったら、その予想は的中した。

「僕、普通が嫌なんですよ。バーだけやっているとバーの世界だけの普通に染まりそうで……」

個人で飲食店を経営しているオーナーが、この兼業スタイルを貫いている人は結構少なくない。当然体に負担がかかることとは思うが、どっちの世界にも役立てている人が多く、コミュニケーション力もアイデアも普通の人より増している気がする。そして何よりその人柄に表れる気がしてならない。また来たいバーが一軒コザに増えてしまった。

Loco island BAR
住所:沖縄市中央2-7-41
営業時間:0:00〜5:00  金・土曜日は21:00〜OPEN、月曜日はお休み
生ビールジョッキ:600円、テキーラ500円 

ぐるなび - LOCO ISLAND BAR(ロコアイランドバー)(沖縄市・うるま市/バー)

 

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◇店の前でオーナーのNさん(左)と記念撮影をし、僕は深夜のコザを彷徨う

仕事を終え一杯やる姿に人種は関係ない。そこに基地問題と雇用、さらにアメリカ兵による事件と歴史が絡むから、どうしたって話しがややこしくなる。一般的に外食産業は景気に左右される面をもっているが、基地のある街は外出禁止令などの基地問題も絡んでくる。アメリカ兵で潤っている店ほど影響はまともに受けやすく、これは沖縄に限った話しではない。

一方、基地で働く日本人の雇用を生んでいるのも事実。そして、その従業員の給与の一部は「思いやり予算」として、日本側が一部を負担している。その額は2014年で1848億円にのぼるそうだ。(防衛省公式サイトより)

基地のある街はいつだって日本政府とアメリカ政府の間に翻弄される。これが沖縄となると基地の75%が沖縄に集中するから、どうしても注目をされ影響も大きい。沖縄で生きていく人の宿命といっていいのだろうか。沖縄を愛する僕には、夜の街でお金を落とすことしかできていない。

沖縄滞在:2015.11.27〜30

 

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