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ボクの旅、キミの旅、そしてタイ人

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タイの首都、バンコクにいる。季節は9月。南国らしい青空から厚い雲が急に覆り、激しい雨が音を立てる。雨季の終わりを告げていた。雨があがると不快な湿気が身体にまとわりつく。これが東南アジアの空気。旅に出た実感が湧き、気持ちが一気に高ぶった。

 

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僕は今年、旅から距離を置いていた。年末年始のラオス旅を終えると、民泊開業に向けた物件探しから契約、リフォーム作業に勤しんでいた。その間ソウルへ数日遊びにいったが、ソウルの風は東京のそれとさほど変わらず、旅の気分ではなかった。
 
久しぶりの海外旅。そしてタイ。
忘れかけていた嗅覚が蘇ってきた。
 
今回の旅は鉄道に乗って、タイの東北地方を巡ろうと決めていた。日本でも乗ったことのない寝台列車の旅。切符はタイ国鉄のウェブサイトで直接購入した。プリントアウトした用紙がそのまま切符になる、今年から復活した便利なサービスだった。
 
しかし想いは変わる。
 
海へ行きたいーー。
 
気まぐれな性格が顔を覗かせた。この性格は生まれつきなのか、それとも旅人の性格なのか分からない。そこに日本からバンコクへ遊びに行く友人の話しを聞いた。日程が偶然重なったのだ。
 
旅を趣味とする人には、幾つかの共通点があるように思う。例えば数日の連休を見つけると、すぐに行けるじゃんと思ってしまうところだ。僕もそうだが、年間の予定が旅を中心に廻っており、四六時中航空会社のウェブサイトとにらめっこをしているようなところがある。しかし価格の高い時期は旅に出ない。だから8月のお盆の時期は休みを取得せず、国内に留まる。でも旅には出たい。すると祝日が数日あって、台風シーズンの安い9月に旅へ出ようとなる。祝日に有給休暇をくっつけて東南アジアへ。考えが同じだった。
 
「じゃあ飯でも食いますか」
 
タイ国鉄の切符はキャンセルした。旅そのものは友人と別行動。ただ一晩食事を共にするだけだから、なにも切符をキャンセルすることはなかったが、海へ行きたくなった気まぐれな性格の後ろめたさみたいなものを隠す自分なりの口実だった。
 

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食事場所はラチャテウィーにした。バンコク滞在時は、決まって足を運ぶ土地。賑やかなサイアムが近くて立地が良い割に、安価な飲食店が多い。その一方でお洒落なレストランも少なくない。食事はラチャテウィーに住む日本人の友人も含めた数人で楽しんだ。
 
日本から来た友人はいずれも男。真面目に朝から観光タイプもいれば、主に夜しか活動しないムフフタイプまで様々だ。東京でろくに酒も交わさないのに、遠く離れたバンコクで、よくもまあ同じ時期に集まるものだと呆れてしまうが、これもどこか旅人の共通点のような気がする。
 
「今度どこそこに行くんですけど」
「じゃあどこそこで会おうか」
 
僕も過去にラオスで知り合った日本人と、ベトナムの中部、フエで会った事があった。東京だと重い腰も、海外だとなぜか軽くなる。旅は不思議な魔力があるに違いない。
 
と、ここまではよくある旅の話しだと思っているが、今回は一風変わった旅になりそうなのだ。それは現地のタイ人が、僕の旅についてくることになった。
 

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タイ人との出会いは、やはりラオスだった。場所は首都ビエンチャンから北へ150km離れたバンビエン。街の中心を流れるナムソン川と、美しい石灰質の山々が印象的だった。
 
そんなバンビエンのバーでタイ人と出会った。向こうは4人組で、こちらは1人。互いに旅行中の身だった。酒が入った勢いもあり、盛り上がった記憶がある。帰国後はたまにLINEでやり取りをしていたが、今度タイへ遊びに行く話しをしたら、案内するよと乗ってきたのだった。
 
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タイ人には大まかに二つの性格があると思っている。ひとつは他人に全く興味がない人。もうひとつは他人にお節介なほど親切な人だ。どうやら彼は後者のようだった。ある日LINEの通知音が鳴った。タイ人からだった。
 
「僕はキミの旅のプランを考えている。移動はバスがいいか?列車がいいか?それとも自家用車か?」
 
タイ人しか知らないローカルな場所に行けるかもしれない。しかし自由に旅をしたい気持ちも覗かせる。それに誰かと一緒ではなく、1人で旅をしたい気持ちも強かった。異国の人の親切心にそっぽを向くようで心苦しかったが、思い切って伝えてみた。
 
「僕は君のプランではなく、自由に旅をしたい」
 
するとこんな返信がきた。
 
「分かった。それでいいよ」
 
あっさりしていた。これもタイ人の特徴だという事を忘れていた。しかし文面には続きがあった。
 
「キミの旅についていくよ」
 
思わず手からスマホが落ちそうになった。ついてくるのか……。切り返しもあっさりしていた。タイ人の性格は一体どんなものなんだろうか。タイ在住の友人の話しや旅行作家の著書だけでは分からない、リアルな体験が出来るかもしれない。前向きに捉えた。
 
それからしばらく時間が流れたが、タイへ旅立つ一週間前にそのタイ人が突然東京にやって来たのだ。連絡は前日。タイ人らしいなと思った。そのタイ人の目的は旅行ではなく、ツアーコンダクターの研修だった。彼はツアーコンダクターを目指して研修中の身。その一環で東京へ来たというわけだった。待ち合わせには同じタイ人で、ガイドを勤める女性も一緒だった。女性はガイドを勤めるだけあって日本語は流暢。三人の会話は自然と日本語、タイ語、英語が交わる不思議な空間となった。
 
そして今回の旅へと繋がっていくのだが、さらに僕の旅に加わるメンバーが増えることになった。その人物はガイドを勤めるタイ人女性だった。
 
「私そこへ行きます」
 
LINEを通して漠然とバンコクで飲む話しをしていたが、しばらく都会へ戻らない話しをした。そんな僕の態度にいてもたってもいられなくなったのだろう。まさかのタイ人女性と……。遅れてきた夏がやってきた。だが文面には続きがあった。
 
「彼氏と一緒に行きますね」
 
取り越し苦労だった。
 

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旅を続けていると、その形が変化していく面もあり、違う顔を覗かせる面もある。僕の場合は決まって一人旅だったが、一人で終わる旅もあれば、旅先で出会う旅もある。そして旅先でしか会わない旅もある。さらに旅先で出会った人と再び旅先で出会う旅がある。毎度同じ旅はない。だから辞められない。

今回の旅はどんな旅になるのだろう。路地に流れる排ガスの匂いと、トゥクトゥクのけたたましいエンジン音に包まれながら、そんなことを考えていた。

 

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