初めて感じるマレーシアの湿熱気!そして積み荷のない船とヘイブラザー

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2014.05.03(5日目)

僕の乗った台北発エアアジアD7377便は、約4時間40分後にマレーシアはクアラルンプールに着いた。日付は翌3日に変わっていた。飛行機のタラップを降り、地上を歩き、空港内に入る。そしてすぐ左の部屋に入ればホーチミン行きに乗り換え手続きだ。

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勝手が分からない入国

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しかし何も分からない僕は、皆と同じく目の前の階段を上がり入国審査を受け、空港の外に出てしまったのだ。入国カードの有無も分からず、ドキドキしてしまった。マレーシアでは出入国カードはいらないらしい。そして機械で指紋の読み取りもした。初めての経験だった。僕は旅の目的ではないマレーシアの事は何も調べていなかった。空港での乗り継ぎのことも調べていなかった。まるで新宿駅の総武線から山手線に乗り換えるように、ヒョイと乗り換えるような感覚でいたのだ。

湿気と熱気

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空港の外に出ると物凄い湿気と熱気を感じた。そして甘ったるい匂い。「これがマレーシアなのか?」そう思うと興奮のようなものを覚えた。さらに夜中だというのに人の数も凄く、色んな人種がいる。睡眠不足も相まって訳のわからない感覚になり、面白くなってきた。この時の感覚は一生忘れることの出来ない感覚となるだろう。まずは気を落ち着かせるため煙草に火をつけた。

深夜特急に浸る

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ポケットから持参したアイフォンを取り出し、耳にイヤフォンを付けて曲を聴く。曲は井上陽水の「積み荷のない船」だ。この曲は沢木耕太郎氏の作品「深夜特急」を映像化したときの主題歌だ。旅のクライマックスや主人公が悶々とした気持ちの時に挿入される曲。今の僕の気持ちは当然旅のクライマックスではないので、後者よりな気持ちだ。寝不足な夜中の移動。そして湿気と熱気と多人種に気持ちが負けそうになっていた。喉が渇き、腹も減るが、マレーシアリンギットもUSドルもない。そこにきて井上陽水の曲が追い討ちをかける。僕はときに自己演出に気持ちが入りすぎることがある。よく考えれば金なら日本円を少額両替するか、クレジットカードを使えば良いだけだ。それに気づいたのは後日だった。慣れない海外一人旅は始まったばかりだ。

マレーシアを出国

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結局マレーシアにはほんの少しの滞在だった。それでも気持ちは高まり眠気はどこかへ吹っ飛んでしまった。台北ですでに発券されたクアラルンプール発ホーチミン行きの航空券を握りしめ、難なくイミグレーションを通過すると、搭乗ゲートへと進んだ。

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液晶モニターにふと目をやると、出発時刻は7時05分。台北からの機内で眠れなかった身にとっては辛いものがある。オールナイトの移動となった。

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搭乗ゲートへ向かうと、空港の外で見た光景となんら変わらなかった。甘ったるい匂いと多人種、そして多くの人々。活気があった。

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AK520便に搭乗

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時はきた。チケットの半券を切られ建物の外に出ようとした時、英語でスタッフに止められた。

「今はハノイ行きで、ホーチミンは次だよ」

ハノイ行きとホーチミン行きはゲートが同じで時間が書いていない。スタッフが何やら大声で喋ると沢山の客が並び始めたので、僕も並んでしまったのだ。再びゲート前の座席に腰をかけ、ハノイ行きの列を見守ると、ホーチミン行きの搭乗が始まった。チケットの半券を切り建物の外にでる。台湾と違いバーコードや機械のゲートなどは無く、とても簡素な造りだ。そしてここマレーシアではほとんどの人が印刷済みのboardingpassで入場している。

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長くて薄暗い通路を適当に進んでいくと、偶然ホーチミン行きに出会った。通路に案内などは無く、本当に偶然だった。非常に分かりにくい搭乗ゲートだ。壁には小さく便名と行き先が書いてある。表示はSAIGON(サイゴン)。これはホーチミンの旧名で、今も使われているということなのか。これを知らないと行き先を探し回ることになるのではないだろうか。日本でいうと、東京が江戸のようなものか? そんなことを考えてしばし待つと、ようやく飛行機に乗ってよい指示が出た。タラップを昇るのもなかなか良いものだ。

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◇ホーチミン行き「AK520便」

機内の様子

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機内のシートは3−3の配列で、黒と赤の革シートが印象的だ。機材はエアバスA320で、短中距離路線で使用される機材らしい。そんな機内のシートに腰を下ろすと、上部からまるでスモークをたいているのかと勘違いするほどの白い冷気が出ている。この冷気は冷凍庫より寒く感じるではないか。外の熱気との差でさらに寒く感じるのか。

そして機内にガンガン響く音楽。こんなイケイケな飛行機は初めての経験だ。曲はAviciiの「Hey Brother」だ。僕は台湾を出る時にColdplayとAviciiのコラボ曲を聞いていた。そしてマレーシアを出る時にまたしてもAviciiに出会った。もう今回の旅のテーマ曲は「Hey Brother」で決まりだ。とても徹夜の移動とは思えぬほど眠気は吹っ飛び、燦々と太陽が照りつけるベトナムを眼下に「気分は上々」となっていた。

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